リノベーションマンション知識

【中古マンション購入×リノベーションしたい人向け】物件チェック時の注意点|メリット・デメリットも紹介

2020.06.19

中古マンションを購入してリノベーションすることが、マイホーム取得の選択肢の一つとして広まっています。しかし、リノベーションする中古マンションは、どのような点に着目して選べばよいのでしょうか。「中古マンション購入×リノベーション」の物件選びのポイントや、メリットやデメリットなどについて解説していきます。

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物件チェック時の注意点

中古マンションを購入してリノベーションする場合、物件を選ぶときには立地条件や広さなどのほかに、資産価値や安全性、リノベーションのしやすさなどの面から、注意するべきポイントがあります。中古マンションを購入してリノベーションを行いたい人向けにチェックポイントを紹介していきます。

 

築年数

一般的にマンションの価値は築年数が経つに従い、年々低下していきますが、築20年くらいを経過すると価格が安定してきます。つまり、築20年程度のマンションを購入すると、資産価値が下落するリスクが抑えられるのです。ただし、1999年に省エネ基準の改正によって、断熱性能の基準が強化され、より高性能の断熱材を厚く使うように基準化されています。また、2003年には24時間換気の設置が義務付けられました。住宅の性能の面を重視するのであれば、これらの年以降に建てられた物件を選ぶと良いでしょう。

 

新耐震制度に即しているか

1981年6月1日以降に建築確認申請が下りたマンションは、新耐震基準による耐震性を有しています。それ以前の耐震基準は旧耐震基準といい、新耐震基準はより耐震性が強化された基準となっています。新耐震基準では、震度5強程度の中地震では軽微なひび割れが起きる程度、震度6強から7程度の大地震でも倒壊しない程度の強度が基準となりました。 ただし、1981年6月以前に建築確認申請が下りたマンションでも、耐震適合証明を受けた物件は、新耐震基準に相当する耐震性が認められています。

 

災害リスクは少ないか

マンションが立地する場所の災害リスクを判断する材料となるのは、各自治体が公開しているハザードマップです。 ハザードマップは土地の成り立ちや地形、地盤、これまでの災害履歴をもとに、 洪水や土砂災害、津波などの災害のリスクの大きさを地図上で示したものです。

また、朝日新聞が公開している「揺れやすい地盤」というサイト(http://www.asahi.com/special/saigai_jiban/)では、防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」をもとに作製されたコンテンツで、住所や地域名を選択すると、地震の際の揺れやすさの目安を調べられます。

 

リノベーションできる物件か

マンションのリノベーションは構造による制約が生じるケースがあるため、自分の希望するリノベーションが実現できる物件か確認することも大切です。マンションの構造には、柱と梁で支えるラーメン構造と、壁で支える壁式構造があります。ラーメン構造の物件は、室内の間仕切壁はほとんど撤去することが可能なため、間取りの変更の自由度が高いです。一方、壁式構造の物件は、室内に撤去できない構造上必要な耐力壁があり、間取りの変更には制約があります。

また、水回り設備の位置を移動するには、床下に排水管の勾配を確保するためのスペースが必要です。コンクリートスラブと床の間に高さがない場合は、水回り設備の位置の移動に制約があります。

 

物件は市場価格と即しているか

中古マンションは比較的価格相場がわかりやすいため、購入を検討する物件が市場価格に即しているか、調べましょう。

中古マンションの市場価格を調べるには以下の方法があります。

 

  • 近くの似ている物件の過去の取引価格を調べる

国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」や国土交通省の「土地総合情報システム」で検索します。

  • 近くの物件がいくらで売りに出ているか調べる

不動産情報のポータルサイトで同じエリアの物件の売り出し情報を調べます。

市場価格を調べた結果、市場価格よりも高い場合は交渉をしましょう。市場価格よりも安すぎる場合は、何かしらの理由がある可能性があるため、不動産会社に問い合わせをするようにします。

 

物件の管理状況

マンションの共用部分の管理状態は自分でリノベーションして変えることはできないため、確認をしておきたいものです。内見の際には、ゴミ置き場はゴミが分別されているか、自転車置き場は決められた位置にきちんと置かれているか、掲示板に古いチラシが貼られたままになっていないか、エントランスや集合ポストなどにゴミが散らかっていないかなどをチェックします。共用部分はもちろん、マナーの悪い居住者がいないか確認することができます。

また、建物の価値を維持するには、大規模修繕などのメンテナンスを適切に行うことが重要です。長期修繕計画に基づいて、計画的に大規模修繕が実施されているか、修繕積立金の残高は十分にあるかといった点も確認するべきポイントです。

 

中古マンション購入×リノベーションのメリット

「中古マンション購入×リノベーション」には、新築マンションを購入する場合には得られない、いくつものメリットがあります。中古マンションを購入してリノベーションする場合のメリットを挙げて解説していきます。

 

実際に現地で物件を確認できる

新築マンションは完成前に販売される物件が多いのに対して、中古マンションはすでに建っている物件を内見して購入を検討します。建物の状態以外にも、日当たりや眺望、近隣の住戸の居住者、管理の状態などを確認することができます。新築マンションよりも、多くのことを実際に目で見て確認できる点はメリットに挙げられます。

 

好きな間取りにできる

新築マンションは間取りや内装や設備も仕様が決まっていて、選べる場合も2~3パターンから選択するケースが中心です。一方、中古マンションを購入してリノベーションするのであれば、構造などによる制約の範囲内で、間取りを家族の人数やライフスタイルにあわせて自由に変更したり、好きな設備や内装を選んだりすることができます。自分の理想とする住まいにできることもメリットといえます。

 

新築マンション購入より安く購入できる

新築マンションを購入するよりも、「中古マンション購入+リノベーション」の方が費用が安いこともメリットです。公益社団法人不動産流通機構のデータをみると、2019年8月の首都圏の新築マンションの平均価格は6,405万円となっています。これに対して、中古マンションの成約価格の平均価格は3,461万円です。

また、マンションのリノベーション費用は700万円~1000万円がボリュームゾーンですので 、仮に900万円かかったとすると、「中古マンション購入+リノベーション」の費用は約4,400万円になります。新築マンションを購入する場合と2,000万円もの差が生まれるのです。

 

立地の良い物件が豊富

主要な駅の駅に近いエリアは、すでに商業施設やオフィス、マンションなどの住宅が建てられていることが多く、新築マンションの販売は限られています。また、購入を希望するエリアで、新築マンションの開発が行われるとは限りません。中古マンションであれば、駅前の立地条件の良い含めて、豊富な物件数の中から探すことができます 。
立地条件の良い物件は将来的に売りやすいという面からもメリットがあります。

 

資産価値が新築より落ちにくい

一般的にマンションは新築時から数年の価格の下落が大きく、築10年を経過する頃には半額程度まで下がるとされています。しかし、築20年を過ぎると価格が安定し、価格が安定することから、中古マンションを購入した方が資産価値を維持しやすいのです。 また、リノベーションをしたことによって、購入した中古マンションの価格よりも高い価格で売却できるケースもあります。

 

中古マンション購入×リノベーションのデメリット

「中古マンション購入×リノベーション」には多くのメリットがある一方で、費用面やスケジュールなどのデメリットもあります。中古マンションを購入してリノベーションする場合のデメリットを挙げて解説していきます。

 

リノベーション時の費用が思いのほか高くなる

購入時にはわからない欠陥である瑕疵が、リノベーション工事が始まってから見つかることがあり、想定よりもリノベーション費用が高くなる可能性があることがデメリットです。たとえば、壁を剥がしたら、下地が傷んでいたケースや排水管から水漏れしていたケースが挙げられ、あらかじめ修繕費用が見積もりに含まれていない場合には、追加費用が発生します。

 

住むまでに時間がかかる

中古マンション購入した後、設計や工事を行い、引き渡しに至るまでの期間は、工事内容による違いもありますが、一般的に3~6ヶ月程度です。そのため、「中古マンション購入×リノベーション」は住むまでには時間がかかることもデメリットに挙げられます。たとえば、現在の住まいを売却して住み替えるケースなど、退去しなければならない時期までに工事が終わらないと、仮住まいをする必要があります。

 

理想通りにできるとは限らない

リノベーション会社との意思疎通がうまくいっていない場合は、理想としたリノベーションが実現できないケースがある点もデメリットです。よくあるケースとして、以下のような例が挙げられます。

  • リノベーションをお願いする側の理想が固まっていない
  • リノベーション業者に理想をうまく伝えられていない
  • 立体図、3Dパースなどを使って、完成イメージを明確にしていない
  • 職人たちと円滑なコミュニケーションを取っていない

リノベーション会社によって要望への対応力や、リノベーションがプランの提案力が異なり、プレゼンテーションのやり方にも違いがあります。そのため、リノベーションを依頼する会社選びが重要となります。

 

リノベーション済み中古マンションも検討候補に入れる

中古マンション購入してリノベーションをすることのメリットやデメリットを踏まえて、中古マンション購入×リノベーション」をやるか迷いが生じた人は、リノベーション済み中古マンションも検討するのがおすすめです。リノベーション済み中古マンションのメリットとデメリットをまとめました。

<メリット>

  • リノベーション込みの価格が分かる

物件価格にリノベーション費用が含まれているため、価格が明瞭です。

 

  • すぐに入居することができる

リノベーション工事がすでに終わっているため、設計や工事の期間をとられることなく、すぐに入居することができます。

 

  • 出来上がっていて内見できるので理想通りか判断できる

工事が完了した状態を見られるため、インテリアテイストなどを含め、自分の理想とマッチしているか、実際に目で見て判断できます。

<デメリット>

  • リノベーションにかかった費用が上乗せされた金額で割高になっている

リノベーション費用のほかに上乗せされたマージンの割合が大きく、割高な物件もあります。

 

  • 理想通りの物件を探すのは難しい

 

  • 中古マンションと比べて取り扱っている物件数が少ない

リノベーション済み物件は注目されていますが物件数は限られ、希望するエリアで販売されているとは限りません。

 

どちらにするか迷ったら、リノベーションに向いている中古マンションやリノベーション済みマンションを多く取り扱っている不動産会社に相談するのもおすすめです。

 

まとめ

中古マンションを購入してリノベーションすると、新築マンションを購入するよりも費用を抑えられ、理想の間取りやデザインの住まいにできることがメリットです。一方で、費用がわかりにくく、工事完了までに時間がかかるといったデメリットもあります。リノベーション済み中古マンションも含めて検討して、自分に合った住まいを手に入れましょう。

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