リノベーションマンション知識

リノベーション済みマンションを購入するメリット・デメリット|選ぶときの注意点も紹介

2020.06.19

都市部を中心に新築マンションの価格が高騰していることから、中古マンションをリノベーションすることが新たな選択肢として広まっています。自分で中古マンションを購入してリノベーションする以外に、リノベーション済みマンションを購入するという方法もあります。リノベーション済みマンションのメリットやデメリット、リノベーション済みマンションを選ぶときの注意点などについて解説していきます。

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リノベーション済みマンションを購入するメリット

リノベーション済みマンションとは、内装や設備が一新された状態で販売されている中古マンションをいい、デザイン性に富んだ物件が多いのが特徴です。そんなリノベーション済みマンションを購入するメリットを紹介していきます。

自分でリフォームする手間が必要ない

通常、中古マンションを購入して住むには自分でリフォームを行う必要があります。リフォームを依頼するには、まずはリフォーム会社を探して、いくつかの会社から見積もりをとり、依頼する会社を決めることが必要です。そしてリフォームプランの打ち合わせを行い、プランが確定して契約を結ぶと工事が始まるという流れになるため、多少手間がかかります。リノベーション済みマンションなら、こうした手間が省けることがメリットです。

内装が新築同様に美しい

マンションで所有者が自由にリノベーションできるのは、○○号室として仕切られた躯体の内側の専有部分です。リノベーション済みマンションでは、専有部分の内装や設備が一新されているケースがほとんどです。壁紙やフローリングなどの内装の壁や床、天井の仕上げ材が張り替えられ、キッチンやユニットバス、トイレ、洗面台などの設備も新しいものが設置されています。リノベーション済みマンションは、新築同様の美しい状態の部屋に住めることもメリットといえます。

前居住者の使用感を感じなくて済む

一般的な中古マンションは、以前に住んでいた人が退去した際の状態のままであるため、築年数や暮らし方による違いはあるものの、大なり小なり使用感が気になりやすいです。一方、リノベーション済みマンションなら、専有部分の内装や設備が一新されて、間取りも変更されていることもあるため、前の居住者の痕跡が残されておらず、使用感を感じずに済むこともメリットです。新築同様の真新しい住まいとして、新生活をスタートすることができるでしょう。

価格が明確で新築マンション購入より格安

中古マンションを購入してリノベーションする場合は、リノベーションにいくらかかるかわからないため、物件を購入する時点では「中古マンション+リノベーション」の総額を正確に把握できません。通常、リノベーションプランが決定して見積もりが行われるまでは、費用が確定しないためです。一方、リノベーション済みマンションなら、リノベーションを行った費用を含んだ価格で販売されているため、価格が明瞭なことがメリットです

すぐに住むことができる

中古マンションを購入してリノベーションを行うには、リノベーション会社の現場調査に立ち会ったり、数度の打ち合わせを行ったりする必要があります。そのため、通常、リノベーションプランの設計に2~3ヶ月、工事に1~2ヶ月程度の期間がかかるため、中古マンションを購入してリノベーションをした後に住むには、3ヶ月~半年程度必要です。一方、リノベーション済みマンションなら、購入後すぐに住むことができる点もメリットに挙げられます。

瑕疵担保責任が最低2年ある

瑕疵とは欠陥のことをいいます。瑕疵担保責任とは、通常の注意では買主が気づかない隠れた瑕疵が建物にあった場合、売主が損害賠償などの責任を負うことをいいます。

 

中古マンションの売買で瑕疵に相当するものには以下があります。

  • 雨漏り
  • 給排水管の故障
  • 電気系統のトラブル
  • シロアリによる被害

民法では、売主が瑕疵担保責任を負う期間は買主が瑕疵を発見してから1年間ですが、任意規定となっています。中古マンションは個人が売主のことが多く、特約で引き渡しから3ヶ月間とされることが多く、築古物件では瑕疵担保責任を免責するケースもみられます。

しかし、宅地建物取引業法によって、売主が宅地建物取引業者、すなわち不動産会社の場合は、2年以上の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。リノベーション済みマンションの多くは売主が不動産会社であるため、瑕疵担保責任が最低2年あるので安心です。

住宅ローンがまとめられる

中古マンションを購入してリノベーションする場合、リノベーション費用を住宅ローンに組み込める商品が増えてきました。しかし、中古マンションの引き渡しまでに工事請負契約書やリフォーム工事見積書を提出することを条件としているケースが多く、事前にリノベーション会社を探して、段取りよく進めなければならないため、ハードルが高いです。リノベーション費用はリフォームローンを利用することもできますが、住宅ローンよりも金利が高く、返済期間が短いため、月額の負担が増えるといったデメリットがあります。一方リノベーション済みマンションなら、住宅ローンのみで済むこともメリットになります。

リノベーション済みマンションを購入するデメリット

リノベーション済みマンションにはこれまで紹介したような多くのデメリットがある一方で、デメリットもあります。リノベーションをすでに行っていることや、物件の選択肢という点から、リノベーション済みマンションのデメリットをまとめました。

希望の間取りではない場合がある

リノベーション済みマンションはリノベーションが完了した状態で内覧を行い、購入を検討することになるため、間取りを好きなように決められないことがデメリットです。たとえば、家族の人数と部屋数が合わない、収納が足りないなど、希望する間取りと異なる可能性があります。また、リノベーション済みマンションは、多くの人に受け入れられやすいオーソドックスな間取りが中心です。希望の間取りがある場合は、リノベーション済みマンションを購入して再度リノベーションするという方法もありますが、中古マンションを購入して自分でリノベーションすることも考えてみましょう。

適切なリノベーションが行われたか確認できない

リノベーション済みマンションは、工事が行われている過程を見ることができないため、不良施工を見ぬきにくい点がデメリットです。また、築年数が経過したマンションでは、壁の内部の下地が傷んでいたり、配管を交換する時期が来ていたりすることも多いです。しかし、表面の壁紙やフローリングをきれいに張り替えているだけで、壁の内部はそのままというケースもみられます。リノベーション済みマンションの購入を検討するときは、信用できる不動産会社か、施工結果報告書からどんな工事が行われたのかなどを確認しましょう。

物件の選択肢が限られる

リノベーション済みマンションは、通常の中古マンションと比較して販売されている数が少なく、選択肢が限られていることもデメリットです。購入を希望する時期に、希望するエリアで必ずしもリノベーション済みマンションが販売されているとは限りません。特に、人気エリアでは新築マンションが高騰していることもあり、比較的リーズナブルな価格で手に入れられるリノベーション済みマンションは激戦です。そこで、リノベーション済みマンションを多く取り扱う不動産会社に相談するという方法があります。

リノベーション済みマンションを選ぶときの注意点

リノベーション済みマンションを購入する際には、室内の見た目だけで判断するのではなく、工事の品質や共用部分の状況などについても確認することが大切です。リノベーション済みマンションを選ぶときの注意点について紹介していきます。

アフターサービス・設備の保証があるかどうか確認する

不動産会社によっては、リノベーション済みマンション保証をつけています。不動産会社や物件によって保証内容は異なり、多くのケースで部位ごとの保証期間が決められています。いつまで、どの部位に対しての保証が受けられるのかを確認しましょう。また、不具合が生じたときの窓口など、アフターサービス体制についても確認しておくことが大切です。

リノベーションした部分を確認する

リノベーション済みマンションといっても、フルリノベーションしたとは限らず、また、見た目はきれいな状態であっても、下地や配管は交換していない可能性もあります。そのため、リノベーション済みマンションを選ぶときは、リノベーションした部分を不動産会社に問い合わせて、工事履歴を書面や図面、施工写真などで確認するようにしましょう。また、第三者機関にホームインスペクションを依頼して、住宅の状態や欠陥の有無をプロに確認してもらうという方法もあります。ホームインスペクションは5万円程度で利用することができます。

「適合リノベーション住宅」かどうか確認する

適合リノベーション住宅とは、一般社団法人リノベーション協会が定める規格に沿って検査やリノベーション工事が行われた住宅をいい、購入者へ保証や住宅履歴情報の開示を行うことが義務付けられています。適合リノベーション住宅では、専有部内の給水管や給湯管、排水管、天井や壁、床の下地など、インフラに関わる13項目について検査基準が決められているため、必要に応じて工事が実施されています。素人が見えない部分まで確認することは難しいため、適合リノベーション住宅から選ぶことも選択肢の一つです。

マンションの共有部分を確認する

リノベーションできる専有部分以外に、エントランスや共用廊下、階段、駐輪場、ゴミ置き場など、共用部分の管理状態や住民のモラルについても確認することが大切です。たとえば、集合ポストのまわりにゴミが散乱している、ゴミ置き場で分別のルールが守られていない、自転車やバイクが整然と所定の位置に並んでいない、共用廊下に個人の自転車などが置かれているといったケースは、管理や住民のマナーに問題があると考えられます。

共有部分が適切に修繕されているか・修繕積立金について確認する

マンションの共用部分は、所有者で構成される管理組合で修繕が行われるため、リノベーション済みマンションなどの中古マンションを購入する際には、大規模修繕計画に沿って適切に修繕が行われているかを確認することが必要です。また、大規模修繕のための修繕積立金が潤沢に積み立てられているかの確認も同様です。修繕積立金が不足する場合は、一時金を徴収するケースや、月々に徴収する修繕積立金の額が値上がりする可能性があります。

まとめ

リノベーション済みマンションは、新築マンションよりもリーズナブルな価格で手に入れられ、すぐに住むことができるといったメリットがあります。しかし、見た目だけで判断して購入を決めてしまうと、工事の品質の面で問題があるケースもみられます。リノベーション済みマンションは、信頼できる不動産会社に相談して、工事内容を確認して購入を決めるのが望ましいといえるでしょう。

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